連休で倉敷と直島へ一人旅。
直島は島全体がアートに。
安藤忠雄はやっぱり期待を裏切らない。
安藤さんの事は『倉敷&直島②』で書かせて頂くとして、、、
まず書きたいのはコレ!
光をデザインする『ジェームズ・タレル』という現代美術家がヤバイ。
「ヤバイ」という表現が適切かわからんけど、ほんまにヤバイんです!
『家プロジェクト』の一つである安藤忠雄とコラボした「南寺」。
【家プロジェクトとは・・・直島でも古くから存在する集落のひとつである
本村地区に現存していた古民家を改修・改造し、現代美術作品に変えてしまおうという試み。
現代の芸術家が家の空間そのものを作品化(インスタレーション)した7つの建築からなるプロジェクト。】
南寺の中に入るのは人数制限もあり、15分おきに時間が決まっている。
寺という名前はついてはいるが、お寺っぽい雰囲気は出ておらず、
外観も炭色の板が張られたシンプルな木造建築にしか見えない。
その内部で芸術的体験ができる。
中は真っ暗闇。
だから前もって「片手を壁にしっかり付けて壁をたどって進んで下さい」と説明される。
心の準備はしていたものの、いざ真の闇に投げ出されると歩くスピードがノロくなる。
へっぴり腰で進み、ようやくベンチにお尻を落とす。
僕が今まで感じてきた「真っ暗」は本当の真っ暗ではなかったな思った。
目を開けているか、閉じているか分からなくなる感覚は初めてだった。
暗いというより「黒い」という表現が適切だなと感じた。
全員が座ると、皆で前方を見る。
真の闇だと思うのは目の錯覚で、実は前方のスクリーンにごくごく少ない光量の照明が当てられている。
外部から暗闇の部屋に入ると、数分間そのわずかな照明が認識できない。
そのうち、ぼーっと前の壁が見えてくるという。
こういったアートは初めて見た。
『今、目の前に見えているものは、“本当に見えている”ものか?』
『見えないからといって、“本当にそこにはない”のか?』
ジェームズ・タレルがそんな問いを投げ掛けているような気がした。
そこに元々お寺があったからなのか、、、、そんな哲学的な思いになった。
blog by.Ryo Tanaka