■ 隠れて見えないけど大切な仕事。
家を新築の後、色々とメンテナンスをするわけですが、
いちばん、やっかいなのが基礎工事にまつわる事なんです。
手を施すには費用と時間がかかるからです。
ですから、基礎工事はしっかりと施工します。
最近はほとんど『ベタ基礎』です。
その基礎工事の前にしなければならない事。
『家を建てる地盤が家の重さを支えるだけの耐力がある』 の判断です。
普通の二階建てのお家の総重量は70トンぐらいですね。
調査の結果、安全率も含めて将来的に厳しいとなった時
基礎補強(地盤改良)をします。
建物の基礎補強は、将来に禍根を残さないように、しっかりとしておきたいものです。
地盤調査データーに基づき、その敷地に適正な基礎補強方法の判断を行います。
将来を見据えた、安全性と経済性のバランス判断です。
基礎補強の方法あれこれ
1. 表層地盤改良
セメント系固化材を現場の土と混合攪拌し、転圧するもので、
改良深さは1から2mです。
改良材の投入
攪拌 転圧
2. 鋼管杭
100Φ~141Φの鋼管を強固な支持層地盤に到達するまで打ち込みます。
打ち込み時の騒音問題がありますが、騒音に配慮して、
鋼管を回転圧入する工法も開発されました。
3. DSP工法
アースオーガーという機械で、もみ込みながら、
地盤硬化剤を現場の土と混練します。
400Φ から 600Φ の柱状改良になり、支持層まで到達させます。
現場の土と混錬させるのがミソで、土質の影響をうけるものの、
土の搬出入がなく、合理的かつ環境に優しい方法です。
グレーぽく見えるのが改良材です。
地表にて攪拌して、地中に戻し柱状杭を形成するわけです。
4. セメントミルク注入工法
掘削オーガで削孔しながら同時に、液状にした
セメント系固化材(セメントミルク)を吐出して穴内で土と混合、
撹拌して柱状杭を形成する。
中ほどに見えるのがセメントミルクプラントです
セメントミルクの注入
5. QCB工法
石灰系材料を、地中に柱状に造成することにより、膨張効果を
利用して、土質を安定させ、周面摩擦力が地盤の支持力をアップさせます。
6. H型PCパイル工法
鋼管杭とほとんど同じで鋼管のかわりにH型をしたPCを
打ち込むわけです。土質による品質影響が少ないという
特徴があります。
その他
MS基礎
ベタ基礎+ベース下に、スタビライザーと呼ばれる突起物を
ベースの底に造ります。
これにより、土の移動を防ぐことができ、沈下しにくくなります。
以上、色々な地盤改良の方法を紹介しました。
新築工事現場で改良工事を見かけられた時の参考にして下さい。
blog by いなば